245小林幸雄著『図説イングランド海軍の歴史』

書誌情報:原書房,516頁,本体価格3,800円,2007年1月30日発行

図説イングランド海軍の歴史

図説イングランド海軍の歴史

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一年近く積ん読していた。戦争と軍隊は嫌いだが,戦史は好きだ。「日本語で綴られた唯一のイングランド海軍通史」(プロローグ)とのことで,海軍の形態(艦隊と士官制度・階級識別)および9世紀のヴァイキング迎撃に始まり,17世紀オランダやフランス艦隊との闘いを経て19世紀のナポレオン戦争までの歴史が詳細に扱われている。
会戦や海戦での艦隊配置を含む地図・図版約170点は,防衛大学校卒で海上自衛隊に長らく勤めた著者の面目躍如たるものがある。トラファルガー海戦時のネルソンの信文 England expects that every man will do his duty のエピソードは,日本海海戦時の秋山真之の「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」――島田謹二の解読は秀逸だった(参照→http://d.hatena.ne.jp/akamac/20070507/1178531320)――を思い出す。