249特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム編『eラーニング白書2008/2009年版』

書誌情報:東京電機大学出版局,vii+176頁,本体価格3,360円,2008年8月1日発行

eラーニング白書

eラーニング白書

  • 発売日: 2008/08/03
  • メディア: 単行本
初出:コンピュータ利用教育協議会『コンピュータ&エデュケーション』第25号,東京電機大学出版局,2008年12月1日(本エントリー掲載稿は最終原稿を元にしたもので,掲載稿と同一ではない)。また,かつて掲載したエントリーを修正したものである(https://akamac.hatenablog.com/entry/20080901/1220261371)。

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刊行8年目の白書だが,「経済産業省商務情報政策局情報処理振興課編」ではなくなり,NPO法人によるボランティア出版になった。前年度の白書では,最初の4年間をeラーニングの「黎明期」=第1期とし,2005年以降を「発展期」=第2期として,企業内教育,高等教育およびビジネスについての現状と事例研究を詳細に扱っていた。本書では,eラーニングが着実に普及し,企業や教育機関ではもはや普通の活用状況になっていることをふまえ,「活用期」と位置づけている。
企業や個人,教育機関の活用状況を調査し,eラーニングビジネスとアジア主要国(韓国,台湾およびシンガポール)の状況を概観し,WBTコンテンツの標準規格である SCORM (Sharable Content Object Reference Model) を説明している。
eラーニングの「活用期」の特徴として,各種のナレッジ・ワークをあげている。現代はeラーニングを標榜することがなにか新しい教育を意味するかのように受けとめられる時代ではなく,eラーニングの内容そのものが問われる時代である。そうした動向とともに,本白書の継続した発行にも注目していきたい。