037新MEGAの編集の成果とデジタル編集の課題

標記シンポジウムが開かれる。先日「服部文男ノート」(→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090313/1236956108)で紹介した講義ノートのうち,山田盛太郎講義ノートを中心に解説がある。オリジナルも見ることができる。評者は一週間早く明日から東京のため残念ながら出席がかなわない。

新MEGAの編集の成果とデジタル編集の課題 (Ergebnisse der Edition der MEGA-Bande und Aufgaben der digitalen Erschliesung)
【趣旨】2008年,新MEGA第II部門(『資本論』および準備労作)がほぼ完結した(II/4.3のみ未刊)。これによってマルクス経済学のオリジナルテキストの全貌が,未公表の草稿を含めてほぼ出揃ったわけである。その全15巻23冊には,日本人研究者が中心となって編集した『資本論』第2部にかんする3つの巻が含まれている。編集に際しては,関連するすべての草稿の徹底的な調査・分析を通して多大な文献史的・理論的新知見が獲得され,それらは各巻に反映された。
今後は,世界の研究者の関心は自ずとかかる知的資産の活用へと向かっていくはずである。専門家はもとより,専門外の研究者に対してもMEGAの利用を広く可能にすることによって,学派の垣根を越えた経済理論のフォーラムに貢献することは,MEGA編集の新たな重要課題となっている。マルクス経済学の膨大な一次文献をカヴァーし,かつ系統的に分類された索引を完備したデジタル版MEGAが要請される所以である。
今まさに,こうした新旧課題の架橋の時期にあたって,新たな課題に資するために,この間のMEGA編集において獲得された知見を集約し,個々の検証を通して総括する好機である。こうした趣旨で,下記のとおり本シンポジウムを開催する。