書誌情報:幻冬舎,119頁,本体価格1,000円,2009年6月25日発行
- 作者:的場 昭弘
- 発売日: 2009/06/24
- メディア: 単行本
的場さんはこんな本まで出していた。上司に叱責されたときなどに,ポケットから取り出して読めば,溜飲が下がること間違いなしだ。資本主義批判,社会批判としての哲学,階級闘争の3つに分け,『資本論』,「ユダヤ人問題によせて」,『経済学・哲学草稿』,「フォイエルバッハのテーゼ」,『ドイツ・イデオロギー』,『共産党宣言』,「フランスにおける階級闘争」,「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」,『経済学批判要綱・序説』,『経済学批判・序言』,「フランスの内乱」から選りすぐった珠玉の名言を80ほど引用し,今風の見出しとコメントを付している。
『経済学・哲学草稿』からはたとえばこんな感じだ。「経済学は落ちこぼれを無視する」のタイトルで,引用文がある。「どろぼう,詐欺師,乞食,失業者,餓えた労働者,貧しい犯罪的労働者,こうした連中は国民経済学にとっては存在しない。(改行)彼らは,医者,裁判官,墓堀り人,乞食をつまみだす巡査にとってのみ存在する。彼らは国民経済学の外にいる亡霊である。」
「階級闘争の歴史」,「一度目は悲劇で,二度目は茶番」,「自分自身の墓堀人」,「共産主義の亡霊」,「学問をするのに簡単な道などない」,「世界のプロレタリアよ,団結せよ」などおなじみのフレーズも多く含まれている。
かつてのマルクス・ボーイ&ガールにとっては物足りなく感じようが,的場さんのマルクス入門本によってはじめてマルクスに触れる読者も多いだろう。
『読者は入門書を愛する。しかし「本当の恋が簡単にいったためしはない」ことは知られている。』
もちろん,本書にも引用されている一句のもじりだ。
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