国産ペン先万年筆が作られてから100年だそうだ(セーラーが嚆矢で,パイロットが1918年,プラチナが1919年創業)。「万年筆 手書きの友」(朝日新聞,2011年6月11日付)で知った(角谷陽子署名記事)。セーラー万年筆天応工場(広島県呉市)のペンドクター,長原宣義さん,同幸夫さん,川口明弘さんを紹介する切り口がいい。
洞爺湖サミットでは各国首脳に贈られたのがセーラー製有田焼万年筆(香蘭社の古伊万里蘭菊)だった。市販では262,500円する万年筆だ(→http://www.sailor.co.jp/BUNGU/SP_arita/index.html)。この万年筆がもらえるのを知っていたら総理大臣を狙うべきだった。どこかで道を間違えてしまったようだ。
記事によると,万年筆生産の最盛期は1957年で256万ダース。2001年には15万ダースに激減し,経済産業省統計の調査対象外になった。
万年筆は「可愛がった分,応えてくれる筆記具」(長原幸夫さん)。筆記具として万年筆を使っている学生をここしばらく見ていない。かつて某大学院試の筆記具は万年筆にかぎっていたことがある。評者の講義の定期試験は万年筆のみ認めるとしてみたい気がしている。総スカンをくうだろうけど。
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