731ペーター・エンダーライン著『ペーターのドイツ鉄道旅行案内――ライン川と七つの街道を行く――』

書誌情報:平凡社新書(642),234頁,本体価格900円,2012年5月18日発行

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1998年3月にベルリン(リヒテンベルグ)からドレスデン(Hbf),ドレスデン(Hbf)からライプツィヒ(Hbf)と IC に乗ったことがある。ドレスデンではマルクト広場,ドレスデン美術館アルテ・マイスター絵画館(Alte Meister),「君主たちの行列」などを観たあと,ドレスデン市役所地下レストラン(Ratskeller Dresden)で夕食を摂った。現地で当日探した City-Herberge という格安ホテル(トイレ・シャワー共用)に泊まった。
ライプツィヒでは,かのニコライ教会や旧市庁舎などを観て,本書にも出てくる Auerbachs Keller Leipzig でゆったりとした時間を過ごした。ホテルは Hotel Am Bayrischen Platz といい,Hotel Hochstein としての時代にはマルクスと娘のエレノアが泊まったことがあるということで予約していた。「マルクスの部屋」には泊まれなかったがいい思い出になった。こぢんまりとした評者好みのホテルだった。ヒルトン・ホテル内の店でマイセンをお土産に買ったこと,カフェで午前中からビールを飲んだことも思い出してきた。
著者は,日本留学や研究機関で研究協力者を経験し,現在バーデン・ヴェルテンベルク州観光局で東アジア地区担当ディレクターを務めている。ユーモアのセンスに溢れたドイツ鉄道と鉄道旅行の紹介書となっている。ドイツの景勝路線,七街道のほか国際列車やいくつかの鉄道・旅行豆知識もある。
古典と漢字をこよなく愛するドイツ人の日本語は,食べ物とワイン,ドイツの歴史と文化を絡ませたいい味に仕上がっている。(ウルムの大聖堂にかんする箇所の説明「七六八段の改段」(49ページ)は「階段」,ローテンブルク旧市街の説明「マルクス塔」(80ページ)は「マルクト塔」の誤植か)