021プロ野球統一球ドーピング

日本プロ野球機構NPB)の飛ぶ統一球問題は,コミッショナーが昨日まで知らなかったことも含めて大問題であり,「不祥事」そのものだ。
事務局の判断で統一球の反発力を高め一昨年と昨年の飛ばないボールから飛ぶボールへ秘かに変え,ボールメーカーにも箝口令を敷いていたという。得点シーンを増やすためにサッカーゴールを大きくするとか,ラリー展開を増やすために卓球ネットを数ミリ高くするとかとまったく同じで許されないドーピングである。スポーツ愛好家の多様化やサッカーに押されがちなプロ野球人気に追い打ちをかけ,打率や防御率など数字で評価されるプロ野球そのものへの信頼を裏切るものだ。
この問題への NPB のコメントを HP では見つけられなかった(→http://www.npb.or.jp)。だが,「アンチ・ドーピングガイド 2012」には「ドーピングが禁止される理由」として,(1) 選手の健康を害する,(2) アンフェアである,(3) 社会に悪影響を与える,(4) スポーツそのものをだめにする,とある(→http://www.npb.or.jp/anti-doping/chapter1.html#chapter1b)。用具ドーピングは (1) を「選手の意欲を害する」と変えるだけで,(2)〜(4) はそのままで応用できる。
さらに,アンチ・ドーピング規程違反をした選手および関係者・球団に対して,制裁があり,(1) 譴責(けんせき):始末書をとり,将来の戒め(いましめ)とする,(2) 一定期間の出場資格停止(1試合以上10試合以下の公式試合の出場停止),(3) 一定期間の出場資格停止(1年以下の公式試合の出場停止),(4) 無期限の出場資格停止,とある(→http://www.npb.or.jp/anti-doping/chapter5.html)。さしずめ,NPB はもっとも重い「無制限の出場資格停止」が該当しそうだ。