222うなぎ職人のあくなき追求

NHKプロフェッショナル「天職は,生涯かけて全(まっと)うせよ――うなぎ職人・金本兼次郎――」を観る(→http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0729/index.html)。
「裂き3年,串打ち3年,焼き一生」といわれるうなぎ職人70年の世界は圧巻だ。手返しとうちわでうなぎの皮の内側部分の油を焼き切る。蒸しを1時間入れ,焼きを4回繰り返す。焦げ目なしの黄金色に仕上げる。タレは醤油とみりん(とうなぎから出た油)だけだ。
感性で焼く。だから仕事を作業にせず,いつまでもいい焼きを求める。その日の天気で焼き具合がちがってくる。つねに同じ仕事をしつつ,美しさを追い求める。現代の名工に選ばれた職人技は驚くばかりだ。
「伝統は,変化を積み重ねた先に生まれる」。その道のプロの言葉はすべてに共通する響きをもっている。
麻布の「五代目野田岩」(→http://www.nodaiwa.co.jp)のうなぎを一度味わってみたいものだ。