書誌情報:山川出版社,254頁,本体価格1,800円,2013年4月25日発行
- 作者:來本 雅之
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: 単行本
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気が向いた時に写真集を眺めるのは評者の楽しみのひとつだ。ヌード写真はとっくの昔に卒業し,いまは写真黎明期の歴史的対象物や外国の風景・建物・人物などに目が行く。
日本の134城,720点の古写真は,幕末当時の貴重な記録になっている。現存天守は12城(弘前城,松本城,犬山城[現存最古],丸岡城,彦根城,姫路城,松江城,備中松山城,丸亀城,伊予松山城,宇和島城,高知城)であり,明治維新以降に消失した天守で古写真が残っているものは29城にも及ぶという。後者には,史上最大級の名古屋城,犬山城と同時期岡山城と広島城,層塔型の丹波亀山城といった現存天守をはるかに価値をもったものも含まれている。
戦後に再興された天守の多くは鉄筋コンクリートによる外観だけの復元だ。木造による近年の再建は伊予大洲城,白河小峰城など数は多くない。
仙台城,会津若松城,江戸城,松本城,名古屋城,彦根城,大坂城,姫路城,松江城,岡山城,津山城,広島城,福山城,萩城,高松城,宇和島城,福岡城,熊本城,鹿児島城については多くの古写真で往時の城を記録している(江戸城は20ページ)。城ファンならぬ素人(=城人)にも楽しめた。
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