今夜のNHK「地球イチバン」「世界一の油絵村」は中国・深圳の大芬油画村が舞台だった(→http://www.nhk.or.jp/ichiban/bnum09.html)。死後50年経った画家の作品を複製し世界で販売している村である。8,000人の画工がおり,オリジナル作品を制作する画家は143人である。画工が画家と言われるためには公募展で3回入選しないといけない。画家になれば画家だけが住むマンションで暮らせる。
オリジナル作品を大量に生み出す複製画工房も紹介されていた。手書きにこだわり24時間営業の工房である。ヒット作品は100万枚売れたという。コピーの村からオリジナルの村への挑戦だ。
画家を目指すひとりの画工に密着し,「まねる」から始まるオリジナルを生み出す過程,信念を持った創作者が自分のメッセージをいかに絵に込めるかという大事さを伝えていた。
画工のオリジナル作品からの読み取りがある複製画は本物と見紛うように制作する贋作とは違う。複製画にはサインない。
オリジナルとコピーとの関係を切り口に文化経済学を考えている評者に新しい発見をもたらしてくれた。
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