115イングランドは英国ではない

スペイン・アルメニアで開かれていた ITTF ワールドツアーのスペインオープン(4月2日〜6日)の女子ダブルで,13歳中1の平野美宇伊藤美誠ペアが2週連続優勝したことで,新聞各社が小さいながらもそれなりに取り上げていた。
昨日書いたように,男子シングルスの決勝は,19歳になったばかりの森薗(WR80)が惜しくもイングランドのドリンコール(Paul Drinkhall,WR144)に 2-4 (7-11, 9-11, 11-6, 5-11, 11-6, 8-11) で負けた。ドリンコールはイングランドのおしどり卓球夫婦としてよく知られている。確か直近のイングランド選手権で優勝は逃したが,妻は優勝した。6年前のジュニア世界大会で準優勝したことがある。決勝戦の相手は台湾の陳建安(Chen Chien An)だった。
さて,このドリンコールを,時事通信社の記事では「英国選手」としていた(→http://www.jiji.com/jc/zc?k=201404/2014040700067&g=spo*1朝日新聞時事通信の記事を複数集めて「英国選手」とそのままだった。イングランドと英国とは違う。時事通信と朝日はサッカーワールドカップに出場するイングランドを英国と表記するつもりなのだろうか? オリンピックも,サッカーも,そして卓球も国と地域が参加単位となっている。サッカーでは歴史的事情もあってスコットランド北アイルランドウェールズイングランドとは別のチームでワールドカップ予選に参加している。オリンピック(統括組織が IOC )では the United Kingdom (Great Britain+Northern Ireland) がユニットであり,これがイギリス(英国)である。
卓球に関してはアジアでは香港が独立した組織として認められている。

*1:卓球王国WEBでは「イギリス」として報じていた(→http://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=1&pg=HEAD&page=TOP&rpcdno=1379#1379)。