971白河桃子・常見陽平著『女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座――』

introduction

書誌情報：中公新書ラクレ（431），358頁，本体価格940円，2012年10月10日発行

女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座 (中公新書ラクレ)

女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座 (中公新書ラクレ)

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20代女性のための就活，妊活，婚活に絞った，仕事を続けながら結婚し子供を産む女性応援本だ。当面の就活をどう進めたらいいかから始まり，厳しい状況だけでなくワークライフバランスの人生設計にたった生き方への問題提起でもある。「就・妊・婚」講座と銘打っているだけに具体的で説得的だった。「働くことを常に人生の傍らに置いて欲しいということです。働くことがベースになって，結婚も，出産もやってきます」（12ページ）。結婚や出産をきっかけに退職し，子育て終了後に非正規雇用で社会復帰することが多いという現実もおさえてある。
実際の就活では，有名大学とそうでない大学，高偏差値と低偏差値，トップクラス，中堅レベルなどのような大学間「格差」や「顔採用」もあると本音を紹介していた。男女とも「結婚ゾーン」は「年収300万円以上の正規職」とも。親との折り合いのつけ方や雇用の常識・法律知識の講もいい。
働く女性にとっての関門は，子どもが小学生低学年の時と親の介護に直面した時である。育児と介護抜きのワークライフバランスは考えにくい。