書誌情報:昭和堂,iv+254頁,本体価格2,200円,2014年4月15日発行
- 作者:啓明, 安高
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: 単行本
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欧米の博物館論を排して,東アジアと日本の博物館との比較検討から設置が進んでいる大学博物館の「ハコ」(建物),「モノ」(資料),「ヒト」(学芸員)に焦点をあてている。学芸員養成と各種博物館の連携事業に言及しているのも特徴だ。
日本,中国,韓国の大学博物館97大学141大学博物館(日本84大学123大学博物館,中国7大学12大学博物館,韓国6大学6大学博物館),36の地域博物館の実踏調査したうえでの都市形成,法制度,学芸研究職,大学博物館などへの言及は網羅性がある。ただ,博物館そのものが担う公共性や地域性への注目に比べると,統治機構や国民意識形成を博物館に付与させた意味性についてはどうしても前面に出てこない憾みがあった(「紙幅の都合上,政治と博物館の関係性については詳述を避けた」(243ページ)とあればいたしかたない)。
大学博物館を博物館の歴史に位置づけ,博物館を担う学芸員養成の未熟と雇用の不安定さに触れ,学生教育・地域貢献活動へのシフトを展望していて,大学博物館を論じることで博物館全体への問題提起となっていた。
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