1129石部是清著『旅するユートピアン』

書誌情報:北斗書房,197頁,非売品,2016年2月10日発行

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ある先輩の自費出版第3弾だ(著者名はペンネーム)。海外旅行を中心に8篇の短編小説が収められている。沖縄・石垣島,台湾・香港・シンガポール,ニューヨーク・ワシントンDC・サクラメント,ロンドン・ウィーン,ブダペスト,大連・北京・上海,メキシコシティ・リオ・ブエノスアイレスサンチアゴサンパウロなど資料収集,調査,観光などが綴られていた。
タイトルはウィーンでの著者の研究会報告にたいし「ユートピアのような他愛ない提案」と評されたことに由来している。
屋根裏部屋にマルクスが家族とともに1850年から56年にかけて住んだことがあるロンドンのとあるイタリア料理店(ディーン通り28番地)に行ったという。ウィーンでのその後の報告で「ユートピアン」と言われたのは「夢のような美しいウイーンの街なみのなせる業」(84ページ)もさることながらマルクスによるのではと評者は思った。