1165『卓球グッズ2016』(月刊卓球王国7月号別冊)

書誌情報:卓球王国,130頁,本体価格667円,2016年6月14日発行

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昨年に続く「テナジーvsポスト・テナジー」をコンセプトに第2章と銘打っている。バタフライ(タマス)製品のオープン価格化は昨年の2月21日からだった。一枚のバタフライ製品ラバー「テナジー」のトッププレイヤーの使用率は断トツで男子90%,女子44%だそうだ(2015年度全日本選手権男女一般シングルスベスト16の選手中)。一般愛好家は8,000円にもなる「テナジー」から「ポスト・テナジー」に手を伸ばしている。それでも6製品ある「テナジー」のうち,「05」だけは一般にも買われており「高かろう良かろう」でバタフライへの人気は相変わらずである。
バタフライのオープン価格化によってブラックバイヤー,ブラックセラーの暗躍を無くし「テナジー」の闇市場を一掃したといわれている。結果として世界最大の卓球市場である日本以外の海外で安定した売上に繋がり利益率は相当に高い。記事の傾向からは確実に「ポスト・テナジー」に移行している印象が強かった。一枚の「テナジー」代でフォア・バックとも「ポスト・テナジー」の二枚が買えるのは卓球愛好者にとっては大きい。評者はファア・バックとも「ポスト・テナジー」に転換した。
プラボールの採用とバタフライのオープン価格化の次に来るのは「ラケット素材自由化」だろう。現在のルールでは卓球ラケットの85%以上が木材で,カーボンなどを使う場合一枚の厚さ0.35mm未満と決められている。今年3月の国際卓球連盟の総会ではラケット素材自由化提案は否決されたが(73%の賛成があった),近い将来素材自由のラケットが公認されるだろう。卓球業界に大きな波が押し寄せる予感がある。
グッズ集(論)といいながら卓球評論や卓球業界を知るグッズになる。