書誌情報:青土社,212頁,本体価格1,500円,2015年7月10日発行
- -
著者の師である「東大工学部三〇年に一人の大秀才」森口繁一を中心に綴ったスーパー・エンジニア物語である。ほかにも「東大工学部「最強頭脳集団」」やら天才が次から次へと登場する。学問分野の特徴を描きつつ教授ポストや後継者を巡る下世話な人間模様が主旋律だ。
ヒラノ教授自身も原子力推進と関わる電力中研に勤め,金融工学の「旗振り役」を自認しながら敢えてエンジニアの自己規定に閉じ込めた感がある。「エンジニアの大半は,専門書と趣味の本以外は読まない」(206ページ)そうだからやむをえない。文化や社会との接点を最初から最後まで排したさすがエンジニアの本である。
- 関連エントリー
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授の青春――試練と再生と父をめぐる物語――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20150129/1422542229
- 今野浩著『ヒラノ教授の線形計画法』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20141117/1416233102
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130831/1377957658
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授と七人の天才』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130814/1376489934
- 今野浩著『工学部ヒラノ助教授の敗戦――日本のソフトウェアはなぜ敗れたのか――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130226/1361888577
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130215/1360938174
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授の事件ファイル』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20120812/1344788295
- 今野浩著『工学部ヒラノ教授』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110901/1314886469
- 1年前のエントリー
- 張本智和,ジュニアで優勝(台湾ジュニア&カデットオープン)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20150927/1443359399
- 2年前のエントリー
- 『一生使える”算数力”は親が教えなさい』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20140927/1411828323
- 3年前のエントリー
- 「平成25年度大学発新産業創出拠点プロジェクト」→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130927/1380293231
- 4年前のエントリー
- 5年前のエントリー
- 神野直彦著『「分かち合い」の経済学』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110927/1317133104
- 6年前のエントリー
- 大学犬はなちゃんの日常(その187)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20100927/1285595938
- 『季刊 読書のいずみ』第124号→https://akamac.hatenablog.com/entry/20100927/1285595939
- 7年前のエントリー
- 伊予鉄は「一度は乗りたい路面電車」の一番→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090927/1254040983
- 平岩弓枝著『浮かれ黄蝶(御宿かわせみ34)』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090927/1254021995
- 万年筆博士『HAKASE通信』Vol.18 (2009.9)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090927/1254021996
- 8年前のエントリー
- 9年前のエントリー