1221朝日新聞経済部著『限界ニッポン――悲鳴をあげる雇用と経済――』

書誌情報:岩波書店,xii+232+6頁,本体価格1,800円,2014年3月27日

限界にっぽん――悲鳴をあげる雇用と経済

限界にっぽん――悲鳴をあげる雇用と経済

  • 発売日: 2014/03/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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新聞連載記事は2012年8月から12年11月。雇用に関わる「マクド難民」や「追い出し部屋」,その雇用を左右する経済状況では「超国家企業」や「介護バブル」がキーワードになっていた。それらを「限界」として行き着くところまで行き着いた雇用と経済をめぐる問題を抉った連載だった。「キャリアデザイン推進部」「プロジェクト支援センター」「マーケット開拓担当」「業務支援センター」「キャリアチャレンジプログラム」「キャリア開発課」「キャリア相談室」――これらは当時明らかになった「追い出し部屋」の別名だ。
その後の展開は成長戦略の名の下で雇用法規の大幅緩和による「追い出し部屋」の合法化とグローバル化の一層の展開である。国内雇用を守り,経済成長を続ける。経済成長がグローバル化と等値されるとき,雇用と経済は二律背反に陥り,政治・思想におけるポピュリズムの温床になってしまっている。