1267旦部幸博著『珈琲(コーヒー)の世界史』

書誌情報:講談社現代新書(2445),254頁,本体価格800円,2017年10月20日発行

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

珈琲の世界史 (講談社現代新書)

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コーヒーの栽培史と技術史をテーマにした『コーヒーの科学』の著者によるコーヒーの歴史入門書だ。コーヒーノキとカワワはエチオピア発祥で,コーヒーのカワワはイエメン発祥であるとか,イギリスコーヒーハウスやパリのカフェの原点などよく知られた逸話のほか,アラビカ種の名前の由来,マルクスのナポレオン失脚の原因論などコーヒーを取り巻く世界史にも言及する。
フェアトレード,インスタントコーヒー,アメリカンコーヒー,コーヒーブレイクなどコーヒーに纏わるエピソードも満載でこれまで読んだコーヒー本でも秀逸である。日本での普及やコーヒー文化論にも踏み込み新書ながら読み応えがある。