1816内藤陽介著『蛇の文化史ーー世界の切手と蛇のはなしーー』

書誌情報:えにし書房,238頁,本体価格2,000円,2025年1月1日発行

蛇の文化史

蛇の文化史

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辰年にちなんだ前著『龍とドラゴンの文化史ーー世界の切手と龍のはなしーー』([isbn:9784867221242])につづく,郵便学者による「干支の文化史」シリーズ第2集巳年本だ。明治5(1872)年11月9日に太陽暦が採用され,同年12月2日の翌日を明治6(1873)年1月1日としたため,2025年1月29日から乙巳年となるそうである。
蛇信仰がある一方神話の悪の象徴にもなっている蛇の背景にある歴史的・文化的文脈を切手にそくして著者の試みは,蛇神信仰からインド神話,ファラオ,ヘルメス,メドゥーサ,エデンの園,戦争まで視野を広げている。ルーベンスやクリフトの絵なども対象となり,切手の文化史はかぎりなく広い。
おりしも,今月はじめ,デンマークの国営郵便サービス「ポストノルド」は2025年末にすべての手紙配達を終了すると発表した。400年にわたる同社の手紙サービスが終了し,6月から1500基の郵便ポストの撤去がはじまる。もっとも自由市場は存続するため,手紙サービス自体がなくなるわけではない。切手制度は国営手紙サービス終了とともになくなってしまうようだ。
昔,郵便制度があり,切手が発行されていたことがある,と文字通り歴史になる入口に立っている現在,切手のはなしはいかにも象徴的だ。