1817しんぶん赤旗日曜版編集部著『実録・自民裏金取材ーー「赤旗」が暴いた闇ーー』

書誌情報:新日本出版社,221頁,本体価格1,400円,2025年1月10日発行

企業・団体献金政党助成金も受け取っていない政党の機関紙『しんぶん赤旗』の日曜版の「パー券収入 脱法的隠ぺい 2500万円分不記載 岸田派など主要5派閥」(2022年11月6日号)記事が端緒となり,自民党派閥のパーティー券裏金事件が発覚した。その後上脇博之神戸学院大学教授がこの報道をもとに清和政策研究会の会長(当時の細田博之衆議院議長)や会計責任者ら計3人を政治資金規正法違反(不掲載)容疑で告発した。
ちょうどこの頃,同じ日曜版がスクープし上脇教授が刑事告発していた自民党薗浦健太郎衆議院議員の収支報告書に記載しない闇パーティー事件が立件され略式起訴された(2023年1月に罰金刑が確定した。薗浦議員は自民党を離党し,議員辞職した)。23年9月の内閣改造で万博担当相に就任した自見英子(はなこ)参議院議員のパー券不正も日曜版のスクープで明らかになり,東京地検特捜部による自民党5派閥への聴取の報道からようやく「オールドメディア」が動きはじめることになった。
24年度の新聞協会賞を受賞した朝日新聞の「自民党派閥の裏金問題をめぐる」一連のスクープと関連報道」の最初の報道「安倍派 裏金1億円超か パー券不記載 立件視野 ノルマ超分 議員に還流 東京地検特捜部」は2023年12月1日付朝刊1面トップである。
日本ジャーナリスト会議JCJ)は「『しんぶん赤旗日曜版』の報道は,23年から24年にかけての日本の政治を揺り動かした」として24年度のJCT大賞に選出した。日曜版編集部は総勢40数人だが,裏金取材担当は2デスクと記者の2人である。桜を見る会の私物化を暴いたのも日曜版だった。
年間160億円(24年)もの政党助成金を受け取り,政治資金団体国民政治協会」が24億円(22年)の企業・団体献金を受け取っていながら,さらに裏金をつくる「闇」。現在,与野党から提案されている企業・団体献金の存続を前提とした規制強化策なるものはまやかしである。企業・団体献金政党助成金も受け取らない政党が存在しているからである。