書誌情報:集英社新書(0453B),199頁,本体価格700円,2008年7月22日発行
フィンランドといえばスキーのジャンプ王国と答える人は評者と同じ爺世代かもしれない。ニッカネンやアホネンを思い出す。若い世代ならムーミンか。あるいはノキア? フィンランドはOECDの生徒の学力調査(PISA)で長らくトップだったし,世界経済フォーラムの国際競走ランキングでもトップだったこともある。本書はちょうどフィンランドがそれらの指標でトップだったときに出版されていたことからあらためて手にとった。偏差値も受験勉強(高校の卒業試験がある)もなく,高等教育はすべて国立で無償はいまも続き,高額の税金ながら国民の医療・福祉をまわしていることも変わっていない。
初等・中等教育の教師採用は学校単位であったり,簡単な診療の健康センターと専門的な治療の病院と分けられていることは日本と異なる。敬称・敬語は使わず教授であっても市長であってもファーストネーム主義が徹底しているという。どっかの知事さんのように「俺は知事だ」という人はフィンランドにはいないようだ。
北欧の宿痾のように言われるようになった精神疾患とアルコール依存が多く,移民やホームレスの増加も課題になりつつある。自宅にはなにもなくてもサウナはかならずあるというサウナ大国は,発祥の国だけのことがある(330万のサウナがある!)。日本語の侍魂のような言葉がフィンランド語でSISUというそうだ。精神力,勇気,粘り強さなどを意味する言葉だ。スウェーデンやロシアとの緊張関係が長く続いてきた地理と無関係ではない。
フィンランドで大学院留学経験がある著者のフィンランド紹介は日本を相対化してみる大事さを教えてくれる。フィンランド論は日芬比較論としてもおもしろかった。」
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