1856古谷経衡著『シニア右翼ーー日本の中高年はなぜ右傾化するのかーー』

書誌情報:中公新書ラクレ(790),286頁,本体価格900円,2023年3月10日発行

シニア右翼の生存条件が揃っている。縮小した市場と未完成の戦後民主主義がそれである。政治的な現状追認と外国人排外・差別を特徴とする。
かつて若いときに右翼青年だった著者による右翼論=シニア右翼論は,ひとしく初期インターネット時代を経験しネット動画を情報源とするシニアに焦点をあてている。「ネット右翼は「保守系言論人」とか「右派系言論人」の熱心なファンなのであり,と同時に熱心な消費者でもある。「保守系言論人」とか「右派系言論人」はこのような上位関係,ないしファンへの訴求という構造に依拠し,自著を販売したり,自分の知名度を上昇させる宣伝の一翼を担わせたりしている」(98ページ)。
若年・青年層は満遍なくさまざまなSNSを利用するが,シニア層は圧倒的に動画に偏重している。「シニアの醜悪な右翼化はやはり日本特有の現象なのだろうか」(159ページ)。シニア化している革新左翼にたいし,シニアがシニア右翼になっているのだ。