1862熊崎敬著『大谷のバットはいくら?ーースポーツを支える道具とひとびとの物語ーー』

書誌情報:柏書房,287頁,本体価格1,600円,2025年11月10日発行

卓球のラケットや野球のバットのように手段としての道具と卓球台や野球場のように対象としての道具に分けられようが,スポーツはなんらかの道具を使う。裸で勝負の相撲力士も褌を,スイマーも水着を着ける。これはスッポンポンを禁止する公衆衛生上の問題も絡むとはいえ,どのような褌や水着かにはルール上の制約がある。
スポーツのパフォーマンスは選手の能力と道具による。本書はスポーツを支える道具に着目し,開発に携わった職人たちを表舞台に上げたことだ。大谷翔平選手のバットはアメリカのC社製のバットで1本●円するが(ネタバレ防止のため海苔弁にする),とにかく硬いそうだ。クリケットのバット,卓球のボール,バドのシャトル,将棋盤,カーリングのストーン,大相撲の塩(伯方の塩だった!),神宮球場のトンボ,剣道の竹刀,羽生結弦選手のスケート靴,相撲の稽古まわし,野球のベルト,サッカーの主審用ホイッスル,卓球台,麻雀卓,ラグビーのキックティなどなど「打つ」,「投げる」,「握る」,「着ける」,「知らせる」,「集中させる」の36種類のスポーツ道具の物語がある。
本書に出てくる,ニシの砲丸,キンキクレスコの投球マシン,ウエサカTEのバーベル,クイックレスポンスのバニシングスプレー,日東紡三菱ケミカル信濃工業の棒高跳びポール,島田商店の相撲の鬢付け油,九櫻(くさくら)の柔道衣,MAMOレスリングのシングレット,白鳩の野球ベルト,モルテンのJリーグ選手交代ボードとサッカー種信用ホイッスル,淡野(だんの)製作所のラインカー,ルイ髙のラグビーゴール,イミオのブラインドサッカーのボール,司るフィンの競泳のレーンロープ,リンテックサインシステムのBリーグのフロアマーキング,三英の卓球台,これらはいずれも日本企業によるスポーツ道具だ。
「卓球の卓球台」とあった。卓球以外の卓球台ってあったか。