1881常見陽平著『日本の就活ーー新卒一括採用は「悪」なのかーー』

書誌情報:岩波新書(2088),192頁,本体価格900円,2025年11月20日発行

日本の就活は,新卒一括採用を基本としている。そのため学生は在学中の業界・企業研究,自己分析,選考対策が欠かせない。新卒一括採用があるために,不真面目な学生も就活対策だけはすることになる。
本書は,就活現場をみてきた著者による新卒一括採用見直し論への批判の書である。就職氷河期,リーマン・ショック,新型コロナウイルスショックという「未曾有の環境変化を経験した危機」(58ページ)について詳述し,それでもなお新卒一括採用が存続し,就活支援体制が鍛え直されてきた現実を直視している。新卒一括採用か否かが問題なのではなく,「ラベル(大学ブランド)ではなくレベル(実際の学習成果),学校歴ではなく学習歴」(150ページ)になっていないことが問題なのだ。
「採用の方針,方法にもよるが,新卒一括採用をやめて,既卒者の採用にシフトしたら人材の多様性が実現するというのは幻想である」(164ページ)。