1884松尾匡著『「上」VS.「下」の経済学』

書誌情報:地平社,295頁,本体価格1,800円,2026年4月2日発行

高市政権の経済政策を分析し,「上」と「下」の分断が進むなか,反緊縮の経済政策の有効性を提唱している。
自民・維新連立による現政権を,「新自由主義淘汰路線と新産業政策路線の「悪魔合体」」(111ページ)と呼ぶとともに,一部の軍拡関連産業分野の拡大と国民生活直結産業部門における社会的労働配分の配分削減と特徴づける。それゆえ,参政党のような極右ポピュリズム勢力は新産業政策路線の補完勢力と意味をもち,ますます半資本主義トーンを強めると描かれる。
著者の主張は,政府は福祉・医療・教育・環境などへの大規模な公的支出をおこなえという反緊縮の経済政策である。医療や介護のサービスを生産するための労働配分を増やせということにもつながってくる。共産党もれいわ新選組も立憲民主党あたりの離脱者も社民党も地域運動の結節点になる共闘プラットフォームに結集した新しい連合の展望も熱く語っている。