056ミートホープと「創意工夫功労者賞」の返上

文科省は9月12日付けで「平成18年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」の返上について」を報道発表した(ウェブでは13日)。「この度,平成18年度文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を受賞した田中稔氏から,9月3日付けで同賞を返上する旨の連絡が北海道庁を通じてあり,その申し出を承認したのでお知らせします。」(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/09/07091211.htm)と出ている。
この年度の「創意工夫功労者賞」は全国で980名受賞し,ミートホープ株式会社田中稔の「攪拌機付き挽肉製造機の考案」はそのうちのひとつだった。もともと「創意工夫功労者賞」は,各省庁または都道府県の推薦らしいので,返上はこの逆,つまり推薦した北海道庁に返上の申し出がありそれを文科省が承認したという手続のようだ(「平成18年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について」http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/09/07091211.htm参照)。
たしか5月か6月には文科省が「創意工夫功労者賞」の取消を検討するとの報道があった。今回は,あくまでも本人の自発的意志による返上という形式をとっている。推薦したのが北海道庁であったならば,あれだけの社会問題になった食肉偽装への対処としては生ぬるいとはいえないか。北海道庁の推薦の取消から賞の剥奪という選択肢はおおいにありえたと思う。