054岸本裕紀子著『ヒラリーとライス――アメリカを動かす女たちの素顔――』

書誌情報:PHP新書428,231頁,本体価格720円,2006年11月29日

ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔 (PHP新書)

ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔 (PHP新書)

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ヒラリーは「高性能のブルドーザー」,ライスは「プラチナでできた精密機械」。本書でのイメージがあたっているかどうかは別として,現代アメリカのキーウーメン2人をとりあげ,キャリア形成,人間関係の作り方,キーパースンとの関わり方,生い立ち,女性の眼,政治信条と業績などミーハー的に取り上げているから,気楽に読むことができる。両人とも蠍(さそり)座なんてどうでもいいように思うけど。
ライスの好きな靴やいつも使っている口紅についての知識や婚約歴があるなどとても有益なこと(?)は本書から得た。ライスについては意外とまとまった本はないようで Antonia Felix, CONDI: The Condoleezza Rice Story,2005 (New Updated Edition), Newmarket Press.ぐらい。ヒラリーについては,前ファーストレディであったし,自伝『リビング・ヒストリー――ヒラリー・ロダム・クリントン自伝――』(酒井洋子訳,早川書房,2003年,asin:4152085274)や「浮気」夫の自伝『マイライフ クリントンの回想』(上)(下)(楡井浩一訳,朝日新聞社,2004年,asin:4022579404asin:4022579412)――余談だが,夫の自伝は妻のそれの約3倍ほどある。夫のはくどくて途中で読むのをやめた。妻のは一気に読んだ――のほか関連書籍もいくつか翻訳されており,この点ではヒラリーのほうがよく知られている。
イラク戦争の処理についてのライスの手腕,大統領選挙に出るヒラリーの計算。目を離せないことは間違いない。