019コロー展および図録

東京に行ったついでに,「コロー展――光と追憶の変奏曲――」(国立西洋美術館,6月14日〜8月31日)を鑑賞してきた。上野駅のチケット売り場でいくつかの候補から迷いながらこの展覧会にした。ルーヴル美術館所蔵のもの以外にも展示されているとあってコロー(カミーユ・コロー,1796-1875)の油彩画約80点が展示されていた。また,コローの影響を受けたルノワール,モネ,シスレーマティス,ブラックなどの作品も約20点あった。
コローの作品では風景画に描かれている添景人物が評者の関心を引く。フランスの19世紀の風景,なかでも田園風景は何度見ても飽きない。多作で知られるコローの作品は,真贋とともに所蔵先不明のものも数多くあるという。

図録はサイズ,内容の質量ともにかなりの追力だ。

タイトル 執筆者
カミーユ・コロー――現在を生きる19世紀の画家 高橋明
「彼は目で見た現実によって夢想を支える……。」コロー,その生涯と作品 ヴァンサン・ポマレッド
抗い難い調和――コローの歩みを追って マイケル・パンタッツィ
カタログ -
1章 初期の作品とイタリア
2章 フランス各地の田園風景とアトリエでの制作
3章 フレーミングと空間,パノラマ風景と遠近法的風景
4章 樹木のカーテン,舞台の幕
5章 ミューズとニンフたち,そして音楽
6章 「私は目も心も使って解釈する」
- クリシェ=ヴェール:コローのグラフィスム
カミーユ・コローと日本 岡 泰正
松方コレクションとコロー 陳岡めぐみ
参考地図 -
年譜 -
主要参考文献 -
他作家解説 -
作品リスト -

ところで,会場限定グッズ(http://www.corot2008.jp/goods.html)のひとつとして一澤帆布http://www.ichizawa-hanpu.co.jp/)製のトートバック(巾着付)が売っていた。評者は根っからの一澤帆布のファンで,出張時のバックや通勤時のバックなどすべて一澤製を使っている(もっとも先代の遺言をめぐってのお家騒動後は信三郎帆布http://www.ichizawashinzaburohanpu.co.jp/cgi-bin/index.cgi)製を使っている)。今回は会場限定グッズとあればいたしかたない。グレーとわさびの2色があり,各8,500円だった。グレーを買った。MacBook Airもちょうどおさまる。「Corot」もきれいに刺繍されている。これはなかなかいい。品切れになるかもしれない予感がした。
(追記)「ルノワールルノワール展」(京都国立近代美術館で開催中,Bunkamura会場は終了)でも一澤帆布の会場限定グッズがあるとのこと(http://www.ntv.co.jp/renoir/goods_g.html)。察するに一澤のほうは,こうした展覧会と組んで会場限定グッズとして販路拡大を企図しているようだ。信三郎帆布を応援するなら,今回の購入はがまんすべきだったのかもしれない。反省。