「学術ウェブの10年を振り返る――ARGの10年と重ね合わせて」(於THE SPACE OF AKIBA3201)に参加し,ライトニングトークでは「ARGと市民的専門家」と題した話をさせてもらった(http://d.hatena.ne.jp/arg/20080629/1214751618)。ARGに執筆したことのある130名のうち9名が参加しているとのことだった。
ARG主宰者の岡本さんから,まずARGの10年を振り返ったショートスピーチがあった。コーヒーハウスの文化がロイズを生んだように,ARGが新しい何かを生む契機になればと,ひかえめながら決意を述べたのが印象的だった。ライトニングトークでは,人文科学での課題を整理された永崎さん,自ら情報発信することの意味をまとめた當山さん,インターネット上の著作集編集と書籍との関連を語った二村さん,ネットとリアルの往還を説いた江上さん,リテラシーとの関連でネットの信頼性を特徴づけた小笠原さん,ブログの活用による大学院生の学術コミュニケーションについて報告した佐藤さん,リアルタイムでの災害調査発信を実践する牛山さん,それぞれに聞き所があった。
学術ウェブとしての経験を語ればよかったわけだが,評者はあえてARG(というか岡本さん)をネット社会のもつ一側面(第三者の審級の不在)に位置づけてみて,アカデミズム内ではないことにかえって将来の可能性があるのではないかと問題提起をしてみたかった。ARGが目指す方向とどこかで接点があればとの希望を込めてのことだった。新幹線の中で考えたアイデアなので,思いつきの域を超えてはいない。
全体で60名を超える参加者があり,評者が参加した初めてのオフ会としては充実した半日だった。懇親会(HUB秋葉原店)では評者の話した「市民的専門家」に興味をもったという方と話すこともできた。牛山さんは鉄道ファンとのことで,ダイヤモンドクロッシングのことはさすがに既知とのことだった(https://akamac.hatenablog.com/entry/20080702/1214993327)。
会場手配や飲み物・お菓子の差し入れも岡本さんの知り合いによるとのこと。参加者の一人としてお礼を申し上げます。
次回のARGカフェは,11月に横浜で開くとのことだ。