077社会政策学会第121回秋季大会1日目

今日から愛媛大学を会場に始まった。午前7分科会,午後8分科会のうち,自由論題第2「女性と労働」,自由論題第5「家族と子育て1」,テーマ別分科会第6「二村一夫『労働は神聖なり,結合は勢力なり』を読む(労働史部会)」に出る。評者は非学会員であるが,折角の機会であり,早朝9時30分から熱心に聴講した。
午前の自由論題第2「女性と労働」では,福田順(京都大学院生)・久本憲夫(京都大学)「女性の就労と親世代の子育て参加の関係」,金秀炫(お茶の水女子大学院生)「既婚女性の就業行動決定の要因分析」(報告では「多重役割が既婚女性に与える就業形態の決定要因分析」),高野剛(広島国際大学)「平成不況期の内職・家内労働と在宅ワーク――忘れられた労働――」を,午前の自由論題第5「家族と子育て」では,澤田光(熊本県立大学)「少子化対策の評価と検証――都道府県地域格差の統計的分析――」,大神憲治(財団法人ながさき地域政策研究所)「自治体による家族形成支援の展望と課題」,竹沢純子(国立社会保障・人口問題研究所)「子どものウェルビーング指標の国際的展開と日本への示唆」を,それぞれ聞く。
テーマ別分科会第6「二村一夫『労働は神聖なり,結合は勢力なり』を読む(労働史部会)」では,小松隆二(慶應義塾大学名)・榎一江(法政大学)・枡田大知彦(立教大学)・東條由紀彦(明治大学)からのコメントをふまえた著者本人からのリプライがあった。評者は自由討論の際に,高野房太郎が渡米前に日本の労働組合の基本方針である相互救済活動と協同組合活動を自ら考え出していたとする背景について質問した。高野の労働組合必要論はジョージ・ガントン著『富と進歩』を信奉(一応ダジャレ)し,国を富ませるには労働者が豊かになることが重要で組合をつくって実質賃金を上げることが大事と考えていたことをあらためて確認できた。
懇親会では実行委員からお品書きのメモも配られ「おもてなし」が行き届いていたように思う。愛媛大学オリジナル「媛の酒」は飲みやすいと好評だったようだ。評者からは役職の関係で日本酒の差し入れをしたことになっていた。
代表幹事は同級生。二村さんと再会し直接質問することができたし,評者の講義をかつて聞いたという榎さんとも名刺を交換した。もうひとりの同級生O君とは「セ・トリアン」で昼食を一緒にとる。30年ぶりのK君,数年前東京で会って以来のIさんのほか10数年来のネット上の知り合いSさんとは初めて声を交わしたのだった。
午前中会員控え室に用意した労研饅頭100個は瞬く間になくなっていた。