095「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に:印象派を超えて 点描の画家たち――ゴッホ,スーラからモンドリアンまで――」展および図録

国立新美術館での展示を観た。スーラによって開拓されシニャックによって普及された「分割主義」に焦点を当て,クレラー=ミュラー美術館のゴッホ・コレクションを特徴づけた展示だった。色とりどりの小さな点で表現したのではなく分割したのだというひとつのテーマで作者と作品を解説していた。
スーラのような都市文化と社会階層の視線や鮮やかな色彩,また抽象画など対照と方法の違いを貫徹するメッセージを強く打ち出し,ドラクロアへの意識の濃淡を感じさせるものだった。
クレラー=ミュラー美術館の「ゴッホ展」(1999年11月19日〜2000年1月23日,Bunkamura ザ・ミュージアム;2000年2月1日〜3月23日,福岡市美術館)は Bunkamura ザ・ミュージアムゴッホ作品74点を観たことがあり(2000年1月7日),「レストランの内部」,「種まく人」,「自画像」,「石膏像のある静物」,「ルビーヌ・デュ・ロワ運河の洗濯場」はその時にも展示されていた。
東京以外にも広島と名古屋で予定されている(→http://km2013.jp)。

タイトル 執筆者など
分割主義――その理念と実践から―― 長屋光枝
ヘレーネ・クレラー=ミュラーとその分割主義コレクションの形成 リースベス・ヘーンク
I 印象派の筆触 -
印象派の筆触 長屋光枝
II スーラとシニャック――分割主義の誕生と展開 -
ジョルジェ・スーラと分割主義の起源 リースベス・ヘーンク
分割主義の発展におけるポール・シニャックの役割 リースベス・ヘーンク
III ゴッホと分割主義 -
ファン・ゴッホと分割主義 リースベス・ヘーンク
IV ベルギーとオランダの分割主義 -
ベルギーとオランダの分割主義 リースベス・ヘーンク
V モンドリアン――究極の帰結―― -
究極の到達点:ピート・モンドリアン リースベス・ヘーンク
ジョルジュ・スーラと色彩の科学 米田尚輝
関連年表 -
関連地図 -
主要文献目録 -
Bibliography -
出品作品リスト -
画家別索引 -