書誌情報:草思社,246頁,本体価格1,500円,2007年1月30日

- 作者: 七尾和晃
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2007/01/24
- メディア: 単行本
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「東京租界の帝王」と呼ばれた王長徳の生涯を描いた作品である。上海をモデルに新橋国際マーケットや学芸大学マーケットなどを手がけ,敗戦直後の日本の闇市で名をあげた。新橋・土橋には王の所有になる黄色合同会館もあったという。1970年東京都の行政代執行によってこの会館は取り壊された。この時押収された動産は一切行方がわからない。
毛沢東,劉少奇,周恩来や魯迅などの直筆の書簡やピカソ,ゴッホ,渡辺崋山の絵などもあったという。王の人脈を垣間見せる日本人の書簡,布施辰治,亀田得治,大内兵衛,美濃部亮吉,吉田茂,岸信介,佐藤栄作などの書簡も多数含まれていた。東京アンダーグラウンド,アンダーナイト,アウトサイダーズとも重なる戦後裏面史をわれわれはもっと知っていていい。