048ドイツの「親手当」

雑誌 Deutschland (日本版)が届いた。年6回,11カ国語で発行され,世界180カ国で販売されているとのこと。4/2007, 8/9月号合併号がそれだ(日本版なのですべて日本語)。興味深い記事が載っていた。
07年1月1日に「親手当 Elterngeld」が導入された。この日以降生まれた子どもの,父親と母親にたいして,休業中の所得補償として12カ月間支給する。支給額は,育児に当たる親の所得(出生前12カ月の平均)の67%で,最高で1,800ユーロ。この手当は原則として14カ月支給される。ただし,父親または母親の一方が受給できる最長期間は12カ月間となる。14カ月間ひとりで育児をし,その全期間分の親手当を受給することができず,あとの2カ月はもう一方の親に支給されることになる。
一般に所得の多い父親が想定されているので,親手当は父親の育児参加の機会を増やすことになるだろうと予想されている。従来の育児手当 Erziehungsgeld では毎月約300ユーロが支給されたが,この額では所得補償にはなりえなかった。この制度がはじまってから,前年度育児休暇を取得した父親は全体の3.5%だったが,07年度第1四半期には倍増したという。
雑誌はオンライン版がある(http://www.magazine-deutschland.de/)。今回の記事の原文と日本語版はいずれも見つからなかった。前号までの記事はpdfファイルで用意されている。