046高田保馬と山田盛太郎

昨日「高田保馬佐賀北高校校歌」を取り上げたところ,佐賀北高校関係の迷惑トラックバックが多数舞い込んだ。面倒なのでそのままにしてある。田中秀臣さんからのトラックバックはもちろん歓迎すべきものだ。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070821
評者が高田保馬を知ったのは山田盛太郎『再生産過程表式分析序論』((1)改造社版『経済学全集』第11巻『資本論体系 中』「第3編 再生産過程表式分析序論」1931年10月,(2)『再生産過程表式分析序論』改造社,1948年2月,(3)『山田盛太郎著作集』第1巻,岩波書店,1983年11月。引用は(3)から。以下『序論』と略。)によってだ。学部ゼミの文献として(2)を青焼きコピー(もちろんコピーはすでにあったが,1枚40円から50円する時代だった。年がばれる?)したものを使った。その後神田の古本屋さん(篠村書店)で7,500円で買った。(1)はかなり安かった記憶がある。
山田『序論』では高田の再生産表式理解が間違っていることが数カ所で批判されている。
(1)再生産表式では利潤,利子,商業利得,地代等が無視されることの無理解(批判対象論文:高田「マルクス価値論の価値論」『経済論叢』30-1,(3)63ページ)
(2)再生産表式の基礎範疇(2部門分割と3価値構成)の無理解(批判対象著書と論文:高田『景気変動論』と上掲論文,(3)84-87ページ)
(3)高田の河上肇批判の敷衍と固定資本の再生産をめぐるマルクス批判への批判(批判対象論文:高田「剰余価格第三論」『改造』1924年12月号,(3)212-225ページ)
『序論』の「結論第二 問題の総括」では,高田「剰余価格第三論」と「資本蓄積に関する第二論」『改造』1929年1月号,が文献リストに挙がっている。山田『序論』にとっては高田は批判の対象として大きな位置を占めている。
なにはともあれ,佐賀北高校,優勝おめでとう!