391同学社『TONGXUE(トンシュエ)』第38号

書誌情報:同学社,24頁,2009年9月20日
非売品

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「特集・北海道大学会に寄せて」。かつて労研饅頭で触れたことのある田邊鉄さんから(下記関連エントリー参照),送っていただいた。日本中国語学会の大会開催(於北海道大学,2009年10月24,25日)に合わせた冊子の発行だ。外国語教科書や辞書などを手がけている出版社ならではの企画である。
須藤洋一「路上観察 文字採集」,高井潔司「体験的中国語奮闘記――相変わらず反省の日々――」,武田雅哉「文公前で待ち合わせ」,金昌吉「札幌と北海道大学について」,田邊鉄「芦別の「ガタタン」」,清水賢一郎「「現場」の力」,飯田真紀「広東語の歌の話」,松江崇「第59回日本中国語学会全国大会開催にむけて――北大文学部における中国語が簡介――」,のエッセイと,佐藤富士雄「新刊紹介 気持ちが伝わる! 「中国語リアルフレーズBOOK」」がある。
田邊さんが紹介している「具だくさんの中華スープ」である「ガタタン(含多湯)」は芦別の名物とか。旧満州からの引揚者が芦別の中華料理屋で始めたのが由来で,中国北部の家庭料理○○湯(○○には「おでき」の中国語)からきたのではないかと推測している。
さて,評者の属する学会には出版社からのこうした「協力」,「応援」はない。外国語学会のひとつの特徴なのかもしれない。非売品とはいえ,同学社のウェブにもない。専門研究者にしか目に触れないのは惜しい。