397文藝春秋12月臨時増刊号特別企画「『坂の上の雲』と司馬遼太郎」

書誌情報:文藝春秋,246頁,本体価格952円,2009年12月1日発行
詳細:http://www.bunshun.co.jp/mag/extra/sakanoue/index.htm

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紀伊国屋書店撤退の後に入ったジュンク堂(2009年9月19日オープン)にて購入。今秋(11月29日開始,全13回)から3年にわたって放映されるNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(以下「坂雲)あやかり企画だ。
愛媛大学のメインキャンパスである城北キャンパスは,練兵場跡地だ。日露戦争のロシア人捕虜の一部はこの練兵場跡地にあった俘虜収容所に収容されていたことがある。秋山兄弟生誕地も至近距離にある。
「明治人の明るく前向きな姿勢と,透き通った格調高いリアリズム」(「編集だより)としての坂雲は,「共産党員の歴史学者江口朴郎教授」が云々とか「新左翼の菊池昌典助教授」が云々(平川祐弘「神話の解毒剤」)のように対左翼,あるいは「日本国民必読の文学」(渡部昇一「日本国民必読の文学」)のようにナショナリスト司馬を,読めということだろう。坂雲,司馬批判も織り交ぜたらもっと面白い特集になった。関川夏央司馬遼太郎はなぜ『坂の上の雲』を書いたか」は坂雲をよく解釈していると思う。