034またまた一橋大学附属図書館広報誌『BELL』と幻の酒「冨國論」

昨日のブログ(http://d.hatena.ne.jp/akamac/20070705/1183627631)で紹介した一橋大学附属図書館広報誌『BELL』の続報。第21号(2007年7月6日発行)(http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/KANE/BELL/bellno21.pdf)の「めもらんだむ」に「『冨國論』に酔いしれて?」と題したコラムでは,『国富論』(当初は『冨國論』)の最初の邦訳者石川暎作,石川の故郷・会津の彼を顕彰する日本酒「冨國論」,最新の山岡新訳の紹介がある(左写真参照)。


日本酒「冨國論」は迂闊にも全く気がつかなかった。こちらにその写真をアップしておこう(右写真はhttp://www.junmai.com/web_mart/sakaegawa003.htmlより)。製造元は西会津・栄川(さかえがわ)酒造。淡麗辛口とのこと。ラベルには次のように書いてあるという(実見していない。「こども式ウェブサイトのブログ」http://blog.tadoku.org/?eid=159497 より孫引き)。
コラムにあるように,残念ながら(?)一橋大学附属図書館にはこの日本酒「冨國論」は所蔵されていない。

翻訳者の石川暎作(1858〜1887年)は,西会津町野沢に生まれ,福沢諭吉慶應義塾で学び,”竹馬の友”で野口英世の恩師として知られる渡部鼎(1858〜1932年)とともに女性の洋髪化をすすめるなど,黎明期日本の教育と文化に大きな足跡を残しました。
暎作は,十五歳まで学業の傍らこの地で酒造に従事しました。その”幻の酒”こそが,この「冨國論」の前身です。近代経済システムを象徴する「神の見えざる手」というフレーズに誘われ,明治のロマンに酔いしれてみて下さい。