038私立大学・短期大学等入学志願動向

すでに新聞等で報道されたように,2007(平成19)年度の「学校法人基礎調査」によって志願者数,入学者数等を集計し,入学定員充足率等を分析した結果が公表された。新聞等ではこのデータをもとに定員割れ大学が何パーセントの大学であるとか興味本位に報じているにすぎない。毎年日本私立学校振興・共済事業団私学経営相談センターがまとめている資料で,評者は大学説明会や入試説明会の折のプレゼンにそのデータを利用させてもらっている。今年度の分析では前書き部分で以下のように記している。

本年度の大学の特徴としては,地域的な二極化と規模的な二極化がなお一層促進されたことです。東京,大阪など大都市の大規模な大学が大幅に志願者数を増加させ,一方地方の中小規模大学は著しく学生数を減少させています。また,短期大学の志願者数は,地域,規模に関係なく大幅に減少しました。(改行)次に,学部別の傾向を見ると,これまで人気のあった薬学系,看護・福祉系の志願者が減少し,一方,法律系,経済系の学部・学科の志願者数が増加しています。今後は,人気学部を目指した学部・学科の改組などによる経営改善方策が難しい時代になったといえます。(改行)かつてない学生数の減少に追い込まれた地方の中小規模の大学・短大は,教育内容を更に充実させ,地域社会からの信頼をより一層高めることが必要となります。

同事業団私学振興事業部のウェブでは,過去5年度分のデータが公開されている。
右下の「教育条件・経営情報支援」の項:http://www.shigaku.go.jp/s_home.htm