050関西学院大学図書館「経済思想家の手稿と自筆書簡」

ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版(http://d.hatena.ne.jp/arg/20070718/1184691575)によって,この公開を知った。岡本さんが書いているように,「書簡をそのまま電子化しただけではなく,その書簡の英文活字版のと比較できるようになっている点が素晴らしい」。一連のデジタル化は「平成18年度私立大学教育研究高度化推進特別補助」によるとのことだ。「本館が貴重な手稿や自筆書簡をデジタル化し広く公開することは,これらの資料が単に本館の財産というだけでなく,世界の研究レベルを高めるのに必要な共通財産であると考えているからであり,研究図書館としての社会的使命であると考えているからです」(「制作にあたって」より)。
関学だけでなく日本の大学図書館には稀覯本や貴重資料が少なからず所蔵されている。一部とはいえこうして公開し,多くの人に利用されるようになるのは大きな意味がある。関学図書館には,「トマス・ホッブズ著作文庫」,「ジョン・ロック著作文庫」,「アダム・スミス著作文庫」,「ミル著作文庫」,「スコットランド啓蒙」,「宗教改革・教会法」,「イギリス社会政策」,「イギリス社会科学古典」,「丹羽記念文庫」,「佐藤清文庫」,「柴田文庫」,「粟野文庫」,「赤井文庫」,「堀文庫」,「小宮文庫」,「高坂文庫」,「室井文庫」,「梅田文庫」,「阪神・淡路大震災関連図書資料」,「カナダ文庫」,「グーデンベルク42行聖書」,「エラスムス新約聖書」,「兵庫県漁具図解」,「東寺文書」,「キェルケゴール反復」,「死海写本断片」と18種類の特別文庫を収蔵している(http://library.kwansei.ac.jp/profile/introduction.html)。
以上のうち,「トマス・ホッブズ著作文庫」,「イギリス社会政策」および「イギリス社会科学古典」については,「関西学院大学大学図書館完成記念特別コレクション目録」(1997年10月)として,それぞれ「トマス・ホッブズ著作文庫目録」,「イギリス社会政策コレクション目録」および「イギリス社会科学古典資料コレクション目録」として印刷されている(3目録を合冊した「特別コレクション目録」もある)。評者は,2001年11月に関学で開催された経済学史学会第65回大会時の特別展示でこの目録を頂戴した。
今回公開された「経済思想家の手稿と自筆書簡」(http://library.kwansei.ac.jp/e-lib/keizaishokan/)の詳細を紹介しておこう。これらの多くは,彼らの著作集や書簡集である Correspondence of Jeremy Bentham, Collected Works of John Stuart Mill および Papers and Correspondence of William Stanley Jevons などにも未収録の貴重な第一次資料である。

経済思想家 手稿または自筆書簡
ジェイムズ・ミル ジェイムズ・ミルのJ.ベンサム宛自筆書簡 (1813年12月3日)
- ジェイムズ・ミルのサラ・オースティン宛自筆書簡 (1827年?)
- ジェイムズ・ミルのウィリアム・モウルズワース宛自筆書簡 ([1832?]年6月12日)
ジョン・ステュアート・ミル J. S.ミルのジョン・バウリング宛自筆書簡 (1825年1月27日)
- J. S.ミルのジョン・バウリング宛自筆書簡 (1828年3月5日)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1834年?)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1843年?)
- J. S.ミルのJ. W. パーカー宛自筆書簡 (1843年)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1843年?)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1846年11月28日)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1846年12月5日)
- J. S.ミルのN.W.シーニアー宛自筆書簡 (1856年?)
- J.S.ミルのヘンリー・リーブ宛自筆書簡 (1866年1月30日)
- J. S.ミルのF.マレソン宛自筆書簡 (1866年10月2日)
- J. S.ミルのW.ロシター宛自筆書簡 (1867年10月27日)
- J. S.ミルのW.ロシター宛自筆書簡 (1868年5月19日)
- J. S.ミルのW.ロシター宛自筆書簡 (1869年5月27日)
- J. S.ミルのW.ロシター宛自筆書簡 (1869年7月26日)
- ジョン・B・ホワイトヘッドのJ.S.ミル宛自筆書簡 (1869年10月27日)
- J. S.ミルのウィリアム・コクス・ベネット宛自筆書簡 (1870年11月2日)
- J. S.ミルのW.ロシター宛自筆書簡(1871年3月14日)
- 「女性解放への貢献にたいしてJ.S.ミルに送られた感謝状」(1870年)
ジェレミーベンサムアダム・スミス ジェレミーベンサムカフーン宛自筆書簡 (1816年3月5日)
- サミュエル・ロミリーのベンサム宛自筆書簡 (1817年8月27日)
- ヘンリー・ピーター・ブルームのベンサム宛自筆書簡 (1818年8月8日)
- チャールズ・バトラーのベンサム宛自筆書簡 (1819年11月30日)
- J.ベンサムのJ. S.ミル宛自筆書簡 (1828年7月3日)
- アダム・スミスのシェルバーン卿宛自筆書簡 (1760年3月19日)
- ディビッド・ヒュ-ムのアダム・スミス宛自筆書簡 (1772年11月17日)
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第1書簡 (1866年4月28日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第2書簡 (1868年3月23日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第3書簡 (1868年3月29日)
- マンチェスター統計協会のF.へンドリックス宛書簡 (1868年5月9日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第4書簡 (1868年5月9日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第5書簡 (1868年5月12日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第6書簡 (1868年5月14日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第7書簡 (1870年4月17日)
- W.S.ジェヴオンズのF.へンドリックス宛自筆書簡第8書簡 (1870年4月20日)
トマス・ロバート・マルサス T. R.マルサスの自筆書簡(1830年1月20日)