書誌情報:インターシフト発行・合同出版発売,325頁,本体価格2,300円,2007年3月20日
世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史
- 作者: トム・スタンデージ
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
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かつて読んだ,角山榮著『茶の世界史』(中公新書,1980,asin:4121005961)と臼井隆一郎『コーヒーが廻り 世界史が廻る』(同左,1992,asin:4121010957)は,人間の飲食にかかわる欲望の世界とそれを商売にする仕組みの盛衰を描いてくれた。本書は,先史時代から現代まで6つの飲料を主役にした歴史読み物である。メソポタミアとエジプトのビール,ギリシャとローマのワイン,植民地時代の蒸留酒,理性の時代のコーヒー,大英帝国時代の紅茶,現代のコーラという配置からわかるように,飲み物が歴史と人類の発展に想像以上に影響をおよぼしている。
6つの飲み物のうち,3つはアルコールを,3つはカフェインを含む。共通点は,「どれも古代から現代に至る歴史の転換点において,各時代を特徴づけてきた飲み物」(プロローグ)。日本酒や焼酎も,世界における日本の位置次第では,歴史画期的飲み物になる可能性もないではない。