192所澤秀樹著『鉄道地図は謎だらけ』

書誌情報:光文社新書(344),259頁,本体価格780円,2008年3月20日発行

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たしかに不思議な鉄道地図がある。途切れた路線や妙な曲がり方をする線路がある。本書では第1幕のエピソードがそうだ。第2幕では鉄道路線名の由来や境界などを扱い,第3幕では鉄道地図上の珍名所を紹介している。
以前紹介したことのある「鍋弦(なべつる)線」(https://akamac.hatenablog.com/entry/20070407/1175929615)についても触れてある。「鉄道」と「軌道」が踏切で十字に平面交差する日本で唯一の場所がわが松山にある伊予鉄の「大手町」停留所のところ。「四国・松山に残る今や珍妙な光景」とのことだ。評者がよく利用する「古町(こまち)」では郊外電車の線路を市内電車が斜めに横切る箇所もある。「鉄軌道の法規に興味がある人には,堪えられない地点」だそうな。伊予鉄の人に教えてあげよう。
そういえば昨日の日経の文化欄に面白い記事があった。日本初の月刊時刻表は,手塚猛昌が発行人兼編集人となっている『汽車汽船旅行案内』(東京・庚寅新誌社,1894年10月5日)だという。日本の鉄道は1872(明治5)年に開通しているから,22年後の発行だ。これが時刻表のおおもとらしい(以上,曽田英夫「時刻表を生んだ進取の魂――明治期の編集者・手塚猛昌の人物像に迫る――」『日本経済新聞』2008年6月30日付,第12版)。
話題がうまく交差したかな。