220村松友視・浅井愼平・南伸坊・白井佳夫著『伊丹十三――カメレオン男のトリック――』(その2)

書誌情報:日本放送出版協会,155頁,本体価格650円,2008年8月1日発行

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13日,NHKテレビ「知るを楽しむ――私のこだわり人物伝――」(2008年9月,毎週火曜日午後10時25分〜10時50分:16日のみ午後8時〜8時25分)のテキストを紹介した(https://akamac.hatenablog.com/entry/20080913/1221293827)。大江健三郎が「定義集」でこの番組を取り上げていた(朝日新聞9月17日付け)。大江は伊丹十三の義兄にあたる(伊丹の妹が大江夫人)。大江は自分を「余裕のない真面目さ」,伊丹を「本質において真面目で,かつ余裕にみちてシック」と表現している。さらに父親万作の戦争末期の文章を引いて,伊丹父子への注目を「時代の必然」と結んでいる。
たしかに「立派な余裕」・「余裕の世界観」(万作,大江の文章からの孫引き))は芸術だけでなく,普遍性がありそうに思う。