345浦沢直樹著(ストーリー共同制作・長崎尚志)『BILLY BAT』第1巻

書誌情報:講談社,198頁,本体価格600円,2009年6月23日発行

BILLY BAT(1) (モーニング KC)

BILLY BAT(1) (モーニング KC)

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発売日にあたる6月23日の朝日新聞に一面を使った全面広告のほか各所に「黒」コウモリが飛んでいた(→ http://d.hatena.ne.jp/YUYUKOALA/20090623)。
マッカーシーGHQマッカーサー,下山国鉄総裁,民間運輸局(CTS),戦略情報局(OSS),キャノン機関,共産党中央委員会,アームストロング船長( アポロ11号) など歴史の交差は評者のようなおじさん世代にはむしろピンとくる。この巻は日系漫画家ケヴィンが遭遇した下山事件とその背後に蠢く巨悪組織の予感までだ。松川事件を思わせる描写もある。コウモリが戦後直後の日本の歴史を直視させる。
『MONSTER』『20世紀少年』は学生から借りて読んだ。史実にすり込ませた社会性あるストーリーには興奮させられた。月面でのコウモリの絵とはスケールが大きくなった。