381山下亀三郎自伝『沈みつ浮きつ』

山下亀三郎の自伝に『沈みつ浮きつ』天地二巻(山下秘書部,1943年)があるらしい。らしいというのはまだ現物を目にしていないからである。この山下が設立した学校のひとつ三瓶高校(第二山下実科高等女学校として設立)から,この自伝にある学校設立のエピソードを編集した『慈母と立志――山下亀三郎自伝『沈みつ浮きつ』より――』(1983年10月1日発行)のコピーをいただいた。「母のおもかげ」(1940年7月20日)と「母を作る女学校」(1940年8月23日)が収めてある。
亀三郎の母が「一番醜婦」であったという人口に膾炙した叙述や「農村の子女は農事を忘れてはならない」ために米と野菜作りを必須の科目にする趣旨などが読み取れる。