2002年から全国で巡回開催されている「人体の不思議展」(愛媛県美術館,4月5日〜5月18日)に3回生ゼミ生とともに行ってきた。半永久的に常温保存できる「プラストミック」という標本技術による150余点が展示されていた。解剖学の場でしか見ることのできなかった全身解剖,頭蓋骨,内臓,血管など人体の未知の世界を垣間見た。
標本の保存方法も詳しく解説してあった。ホルマリンやアルコール液による液浸保存,樹脂などに埋め込む包埋標本,乾燥させニスなどを塗る乾燥標本,パラフィンをしみこませてから乾燥させるパラフィン標本,セルロイド・テクノビート・アクリル樹脂などの鋳型剤を注入する鋳型標本,そしてプラストミック標本。
人体プラストミック標本は実際の死体をもとに作っている。貴重な献体があればこその標本だ。
図録は190ページ,3,000円と高めだが,しっかりした装丁と多くの写真を使っていることを考えれば妥当だろう。ヴェサリウス『ファブリカ』と日本の解剖図譜の系譜の解説は図録ならではものだ。
内容 | 執筆者 |
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健康であることの素晴らしさ | 井村裕夫 |
近代医学・解剖学の夜明け | 佐藤達夫 |
「医学解剖と美術教育」――レオナルドから森鴎((本ブログでは「鴎」で代替している))外まで―― | 西野嘉章 |
人体の不思議 | 佐藤達夫 |
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