189森政稔著『変貌する民主主義』

書誌情報:ちくま新書(722),267頁,本体価格780円,2007年5月10日発行

変貌する民主主義 (ちくま新書)

変貌する民主主義 (ちくま新書)

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著者によれば,1960〜80年代以降の民主主義思想に「静かな革命」=「民主主義思想の変化」(「はじめに」)があったという。民主主義の陳腐化とシニシズムがそれだ。新自由主義新保守主義も表向き民主主義を否定はしない。それゆえ,民主主義の変貌というときそれを支える民主主義思想が変化したと捉えるべきであるということになる。
冷戦の前と後,自由主義新自由主義,多数と少数,ナショナリズムポピュリズムなどと民主主義の相互関連を論じ,民主主義の現在と可能性について触れる。
民主主義の理解は時代によって変わる。どう変えるべきかという現代的な問題群への著者の姿勢には多くの読者が共有できるはずだ。