032コルナイ教授講演会とマルクス・シンポ(四報)

コルナイ教授講演会とシンポは終了した。約250名ほどの参加だろうか。神奈川大学生協書籍部と極東書店のブースも出ていて,老若男女で結構賑わっていた。コルナイ自伝のサインサービスもあり,高い本だが捌けていたようだ。また,会場のロビー一面に前エントリーで触れた「マルクス漫画」のパネルが展示してあり,終了後に来場した人への無料持ち帰りも好評だった。評者はアインシュタインを模したマルクスカリカチュア(Stefan Siegert作)をいただいてきた。
さて,コルナイ講演は,ほぼ自伝のもとに,前半はナチスハンガリー社会主義体制を背景にした政治青年を,後半はマルクス理論の経済理論および社会理論としての限界を,それぞれ淡々と話していたように思う。自伝と同様に,マルクス理論からの離陸と方法論や問題意識への同感とが同居している印象を持った。ハンガリー人としての自意識をいたるところに感じたのは自伝を読んでいたからかもしれない。
シンポは,ビデの社会理論としてのメタ構造論,金の金融資本論,クレートケの資本主義転換論,宇のマルクス詞論,そして窪・ヘッカー・ヒュープナーのマルクス漫画論とだけまとまておこう。ビデの社会構造論からは含意する意味内容の難解さと実践的含意との意外な近似を感じとった。
終了後はロイヤルパークホテルのカラオケルームでのレセプションだった。コルナイ教授夫妻はお開きまでつきあってくれた。レセプション終盤には,クレトケ・ヘッカー・ヒュープナーの雑唱も飛び出し,和気藹々の会となった。
外国人ゲストたちとは70階からの展望のあと飲みに行く予定だったが,行き違いで痛飲できなかった。宇さんとだけは1時間ほど喋れたことは幸いだった。
神奈川大学スタッフの労に心から感謝したい。