209ベルリンの壁崩壊20周年

雑誌 Deutschland (日本版,2/2009, 4/5月号合併号)が届いた(→http://www.magazine-deutschland.de/)。特集は「ベルリンの壁崩壊20周年 ドイツ連邦共和国建国60周年」だ。ドイツは今年「60/20」を祝うということになる。とくに11月9日は,1918年にはドイツ史上初の共和国の成立が宣言され,20年後にはユダヤ人の「11月の大迫害」が開始され,89年にはベルリンの壁が崩壊した象徴的な日である。ちなみに,ドイツ統一記念日は翌90年10月3日でドイツの祝日になっている。
同誌では「過去を思い起こす場所 博物館・歴史記念施設」をいくつか紹介している(文章は適当に改変している)。トップはドイツ語ページにしてあるが,たいてい英語ページもあるようだ。

  • 壁博物館:チェックポイント・チャーリー壁博物館(→http://www.mauermuseum.de
    • 東西ベルリンの国境検問所のなかでは最も有名なチェックポイント・チャーリーの脇にある博物館。63年に国境手前の最後の建物として建設され,「チェックポイント・チャーリーの家」としてオープンした。この家が現在「壁博物館」となっており,分断された東西ベルリンの歴史を紹介する資料・写真などを展示している。
  • イーストサイド・ギャラリー(→http://www.eastsidegallery.com
    • シュプレー川の東,フリードリヒスハイン地区にある。全長1.3キロメートルのベルリンの壁の一部が一大芸術作品に変貌した世界最大の「オープン・ギャラリー。壁にはびっしり世界各国100人以上の芸術家たちの作品がカラフルに描かれている。
  • ベルリン・ホエンシェーンハウゼン記念館(→ http://www.stiftung-hsh.de
    • ソ連占領地域および東ドイツでおこなわれた政治的迫害の歴史を記念する施設で,ドイツにおける共産主義支配の犠牲者のための最も重要な追悼の場所。見学者にはガイドが,東ドイツ時代の政治犯収容の実態を解説してくれる。
  • ベルリン・東ドイツ博物館(→http://www.ddr-museum.de
    • 東ドイツの国民車だった「トラビ」のエンジンをスタートして,プレハブ団地が並ぶ市内を仮想ドライブできる。最近取り壊された「共和国宮殿」の遺物にもお目にかかれる。東ドイツの日常生活を豊富に紹介した博物館。
  • ベルリン壁の道(→http://www.berlin.de/mauer
    • 西ベルリンを囲む総延長160キロに及ぶ「ベルリンの壁」に沿った道には各所に壁の跡や監視塔などが残る。「壁の道」の市内部分は14キロほどで,大半は郊外になる。壁沿いのツォルヴェーク(旧関税通り)や東ドイツ国境警備隊のパトロール用に整備されたグローネン通りはサイクリングやハイキングのルートになっている。14のお勧めコースがある。
  • ノルマンネン通りの研究・記念施設(→http://www.stasimuseum.de
    • かつての東ドイツ国家保安省(シュタージ)建物内にある研究・記念施設で,シュタージ博物館を併設する。当時の保安官の事務所がオリジナルのまま再現されていて,見物できる。常設展示は,シュタージの活動,東ドイツの政治体制,反体制運動などについて詳しく伝えている。
  • ライプチヒ・現代史フォーラム博物館(→http://www.hdg.de
    • 89年秋の「月曜デモ」を記念している。館内では,東ドイツおよびソ連占領地域において住民が見せた勇気と抵抗運動を称える常設展示がある。