459堀正岳・佐々木正悟・大橋悦夫著『Evernote ハンドブック――いつでも,どこでも使える「第2の脳」の徹底活用――』

書誌情報:有限会社サイバーローグ研究所発売,117頁,ダウンロード価格980円,2010年3月2日発行
ダウンロード先:http://evernotebook.com/

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結構こまめに文献とスクラップを集め,整理し,データベースを作ってきた。最初のコンピュータが Hyper Card を個人用データベースに使えるのではないかということからマックを使い始めた。EndNote でデータベースの論文作成への応用を知り長らく愛用したが,日本語対応のサービスとマック版廃止から File Maker へ移行した。共通するのは,データベース作成のためのインプットと現物の保存とを必要とすることだった。データベースの作成が自己目的化し,そもそも何のためのデータベース作成なのか見失うことが多かった。資料などをスキャンしてもそのデータベース作成というシシフォス的作業が残っていたのだ。
新聞のスクラップなら ScanSnap で取り込み,そのまま Evernote に自動的に貼り付けることができる。適当なタイトルや必要ならタグを付け,あとは検索にまかせる。デスクトップのPC,ノートPC,あるいは HYBRID W-ZERO3 (他のスマートフォンにも対応)からでもアクセスでき,USBメモリーなどでのファイルの移し替えも不要だ。オフライン環境で作業しても,オンラインになった時点でシンクロしてくれる。
ブラウザからは,Evernote をインストールした時点から HTML ででも,pdf ででも即座に Evernote に取り込むことができる。
ネット上では Evernote の利用や解説をいくつも見ることができる。本書は Evernote のインストールから使い方までを解説した,はじめてのダウンロード版入門書だ。これを読んでから Evernote の利用を決めてもいい。
Evernote は,「ひらめきやアイデアが生じたら記録する」,「参照して面白かったWebページ,画像などすべてをキャプチャする」,「ホワイトボードからワインラベルまで,あらゆるものの写真を撮る」ことを謳っている。1カ月40MB以内なら期間制限なしで無料だ。テキスト利用中心ならこれで十分だ。まず使ってみて必要ならプレミアム会員(1カ月5ドルあるいは1年45ドル)になればいい。各種ファイルへの対応や画像内検索も可能になる。