経済学史家・小林昇先生(福島大学名誉教授,立教大学名誉教授,大東文化大学元教授,日本学士院会員)が亡くなられた。享年93歳(1916年11月1日生まれ)だった。
小林先生は,重商主義,ステュアート,スミス,リストなど経済学生成期から確立期の経済学史研究で知られ,学士院賞(1972年)を,また『国富論』刊行200周年を迎えた1976年に「アダム・スミス賞」を受賞された。1992年には日本学士院会員に選ばれた。
大学院博士課程の時,非常勤講師をお願いし,丸一週間朝から晩までご一緒したことがあった。ちょうど『小林昇経済学史著作集』(全11巻,1976年〜1979年,1988年〜1989年,未來社)をまとめられた後ということで,『著作集』を第1巻からレポートし,議論するという濃密な演習だった。評者が担当したのはステュアート研究の第5巻で,田添京二ステュアート論との違いを主にレポートした記憶がある。(小林の研究についての一断面については下記関連エントリー参照)
嵐山・西山艸堂 (せいざんそうどう)での昼の会食,天竜寺の庭園散策はかけがえのない思い出になっている。
経済学史研究の面白さと探求する意味を教えてくださった小林昇先生。安らかにお眠りください。
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